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Burn.-バーン-読了

過去にあげたやつです。
連載ということでしたので


Alii immani magnitudine simulacra habent, quorum contexta viminibus membra vivis hominibus complent; quibus succensis circumventi flamma exanimantur homines.
ある者らは、恐ろしく巨大な像を持ち、その編み細工で編み込まれた肢体を人間たちで満たして、それらを燃やして、人々は火炎に取り巻かれて息絶えさせられるのである。



ウィッカーマンのレイジに、天は二物も三物も与えると言った人間が5人もいた。ここで言うウィッカーマンとは前述したガリア戦記に語られるものではなく、日本演劇会にとって名誉ある賞なのだと言われる。彼の魂はその頃燃えてなかった。burnとはそんな1人の青年が、もう一度魂を燃やし始めるまでの物語である。



ネタバレ注意ー



夏川レイジは父になる。しかし、彼には父がいない。そして、10歳の頃母ともすれ違いの生活を送っていた。そんな彼に妻は言う。ー本当に母になれるのか?そんなときレイジは、ドラッグクイーンのローズとの再会で父と慕った徳さんのことを思い出す。なんとなく、徳さんの終わり方があっけなかったというか…彼の人生はもっと深く追求してもよかったのではないかとおもう。これは前作の閃光スクランブルのときにも思ったこと。アッキーにとって大切な存在であった、ミズミン。彼女の苦悩や、彼女から見たアッキーももっと書いてもよかったのかもしれない。まぁ今作でミズミンのその後が少しだけ描かれているので、いいのかなとはおもう。そして、徳さんの話を多くしてしまうと、主人公のレイジの影が薄くなるという作者なりの考えなのかもしれない。核となる人物を最後まで不思議にしておく…その意図はわかるが、付け加え感が否めなかった。丁寧に彼の人生を追ってほしいという気持ちがあった。
『魂を燃やせ』
という言葉を発する徳さんをもう少し知りたかった。

レイジは、色んな人と再会をする。
20年前、世世子、ローズ、そしてユウキ。かつての徳さんのように、レイジを導く。燃やせ!燃やせ!魂を燃やすんだ。あの頃お前には出来ただろう?


彼はウィッカーマンのように死んでいった徳さんを思い出す。彼は自分の信念を貫き生きていったのだ。そしてまた、彼の愛した女性もそうだったのかもしれない。魂を21gだと例えるのはすごく面白かった。そして、その21gを燃やし死んでいった徳さんがしぼんでいく姿は、悲しくもうつくしかったのだと思う。彼に出会った人たちは、おのおの魂を燃やしている。機会的にではなく、かつて彼がやったように自分の力で。ウィッカーマンになったときもそうだが、彼はマジックだといって自分の手だけで炎をつけた。ホームレスは全てに呆れ生きているだけではなく、そんな人間はいないのだと思った。


レイジは燃やす、魂を。
20年前、彼を助けたのは妻とローズだった。
レイジはもう一度燃やし始める。
そのときに彼はようやく徳さんに出会えたのだ。


過去を燃やしたレイジ。
しかし、燃えていない過去。
過去は炭となり、もう一度レイジを燃やす。


まさに
burn-バーン-なのだろう。



Rage Against The Machine
「Rage レイジ」とは「怒り」 のこと。それでは、「怒り」が向けられる「Machine」とは何か?アメリカでは、政党などの幹部組織のことをMachineと呼ぶ。そこから派生した意味は、「機関、機構、からくり、権力機構」となる。また文字どおり機械文明(マシーン文明)に対する怒りととることも可能かもしれません。



なるほど
誰よりもレイジアゲインストマシーンだったのは徳山一生だったのか…


レイジアゲインストマシーン
魂を燃やせ
夏川レイジ。
そして、優しく生きて欲しい。
彼はもう人間の心を取り戻した父なのだから。