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美しいものだけを見ていたい。

アイドルとジャニーズとWaT

ピンクとグレーが加藤シゲアキのものでなくなるとき。

映画ピンクとグレーの公開日が決まった。


映画化の話から何ヶ月がたっただろうか。
あの時は、原作者の話を聞きながら悶々とした日々を送っていた。NEWSファンにとってもNEWSにとっても何より、加藤シゲアキにとって大切なピンクとグレーがぞんざいな扱いを受けていると感じていたからだ。原作者の承諾もなしに決まった映画化。主演は初映画出演となる後輩。原作から脚本が大幅に改変されるという噂。あの時出てきた情報の全てが、『映画化おめでとう!』というまっさらな祝杯ムードを邪魔していた。


ピンクとグレーは、累計16万部を記録した『小説家・加藤シゲアキ』の処女作にしてヒット作。ジャニーズから小説家が出たという物珍しさ、シゲのファンだから、NEWSのファンだから、ジャニヲタだから。16万部。数字にしてみればベストセラーだが、その内訳の大半はそういうものだろう。だからなのか、私は加藤シゲアキのピンクとグレーは加藤シゲアキのものというイメージが強かったのだ。著者だから加藤シゲアキ自身のものなのは間違っていないのだが、そんなことよりももっと…。小説よりも自叙伝に近いというのだろうか。つまり、そういう感覚を持っていた。


ピンクとグレーが今、日本中の…いや世界中のものになろうとしている。メガホンを取った行定勲監督、主演の中島裕翔くん、菅田将暉くん、夏帆さん…その他たくさんのキャストと数え切れないほどのスタッフ、主題歌を歌うアジアンカンフージェネレーションの方々。彼らのおかげで加藤シゲアキのものだったピンクとグレーはもうすぐ娯楽を求める人々のものになる。


2011年11月22日。その産声をあげたピンクとグレーという一つの作品が、もう一人の加藤シゲアキが、今…。加藤シゲアキのものじゃなくなっていこうとする。それは親離れなのか、はたまた子離れなのか。映画化。それは加藤シゲアキが変わらなければならないときでもあったのかもしれない。


そして、私たちファンと加藤シゲアキの思い出の一つでもなくなった。



ピンクとグレーは変わる。私たちのピングレから、加藤シゲアキのピングレから。


2016年1月9日に。